今から20年くらい前にある本がキッカケで、断熱材の位置はコンクリート(RC)躯体に対して内側or外側のどちらがよいのか、非常に高い関心を集めました。
国内では内断熱が主流なのに対し、外断熱は省エネ性が高く欧米では主流であるとのことでした。
日本では建物の寿命が短いので、環境にも配慮して高寿命化を図るという動きも重なっていました。
湿気が欧米に比べて高いことが内断熱とする合理的な理由とされており、設計者も勉強しなければなりませんでした。
広島は比較的温暖な土地なので、寒冷地仕様のごとく感じる外断熱はオーバースペックと思っていました。
そんな時幸運にも6畳程度のワイン庫が必要なお宅を設計する機会に恵まれたので、思い切ってRC外断熱を採用しました。
ワインは常時一定温度での保存が必要なためです。
建物が完成した後、猛暑の夏に御邪魔してもどこかひんやりしています。
冷房は昼に少し使う程度で、夜は使用しないとのことでした。今度は冬に伺ってみると不思議なことに肌寒くありません。
建設費は内断熱に比して2割程度高い感覚でしたが、この先受ける恩恵は計り知れないと思いました。
コンクリート躯体は断熱材にすっぽり外部から覆われて相当長持ちし結露もほぼありません。
快適であると非常に喜んで頂き貴重な体験まで出来ました。
現場施工者も経験がなかったので、熱橋を作らないようにするのは大変だったですが、
新工法だけに現場も盛り上がってよかったです。興味ある方はご相談下さい。(2022.2.28加筆)